人手不足は言い訳だ。算数と発明が会社を救う。
中堅企業の現場を歩いていると、多くの経営者から「人が採れない」という切実な声を伺います。中には「人手が足りないせいで、せっかくの引き合いを断らざるを得なかった」と、苦渋の決断を口にされる方もいます。人材確保の難しさは、いまや中堅、中小企業の共通認識となっているようです。しかし、一歩引いた視点から企業の営みを観察してみると、別の側面が見えてきます。
算数としての生産性
企業の成果というものは、突き詰めれば「一人あたりの生産性」と「人数」を掛け合わせたものです。人数を増やすことが難しい現在の環境下では、成果を維持・向上させるためには、前者の「一人あたりの生産性」に手を入れるしかありません。当たり前のことのように聞こえますが、人が採れないことを嘆くあまり、このシンプルな「算数」から目を逸らしてしまっているケースが、まま見受けられるのです。
現場に眠る「発明」
生産性を上げると聞くと、高額な最新設備の導入を連想されるかもしれません。しかし、私が現場を観察している限り、真の改善はもっと身近なところにあります。
例えば、これまで20分かかっていた作業を、道具の配置を数センチ変えたり、かんたんな治具を作ったり、工具に1本ケガキ線を入れたり、手順を組み替えたりすることで15分に縮める。こうした「5分の短縮」を可能にする工夫も、立派な発明です。25%の生産性向上が実現すれば、4人で行っていた仕事を3人で回せるようになります。「発明など難しい」というのは、現場の慣習に疑問を持たなくなったことの、一つの証左かもしれません。逆に言えば、「人手不足」という悩みは、この「小さな発明」で解決できる余地が多分に残っているとも言えます。
雇用という「リスク」との向き合い方
また、法的な視点から観察すると、安易な増員が将来的な経営の自由度を奪っている状況も目に付きます。一度雇用した人員を、業績の波に合わせて調整することには、法的に極めて高いハードルが伴います。増員は、不況時に引き返すことができない「重い固定費」を背負うことと同義です。
将来の雇用リスクを負う前に、まずは今のリソースを最大化するための「仕組み」に知恵を絞る。これは、不透明な時代に企業を存続させるための、極めて合理的で誠実な選択であるように私には見受けられます。
淀みを見極める
機械化であれ、工程の効率化であれ、やり方は様々です。しかし、現場のあちこちを改善しても、組織のどこか一箇所に「流れを止めている淀み」が残っていれば、全体の成果には繋がりません。
では、その「淀み」はどこにあるのか。
現場を深く分析し、事実を積み上げてみる必要があります。
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