和歌山市の弁護士,前畑法律事務所のQ&A集です

弁護士の選び方についてです。

弁護士の選び方について

弁護士の選び方についてあくまで一般論として言えば,ずばり相性です。「この弁護士とだったら,一緒に取り組める。」,「この弁護士に相談したい。」といった直感が全てといってもかまいません。「その直感がないから困る。」というお怒りはごもっともですので,私が和歌山に住んでいる相談者であったとした場合,どうやって,相談する弁護士を決めるかを一般的な例としてお示しします。

*考慮する要素

気にした方がいいことは?

まずは,和歌山の弁護士,に相談すること。相談限りだと思っていた事件でも,後から疑問がわいてきて,もう一回掘り下げて聞きたいというのはよくあることです。そのたびに大阪などの遠方に出向くのはおっくうです(ただし,大規模事件等の場合は東京などの大規模事務所に頼らざるを得ません。)。

次に,フットワークが軽いこと。ゆっくり構えていたら事態が悪化することになりかねません。ゆっくり構えていてかまわない事件はあるのですが,そもそもゆっくり構えていていいかどうかすぐに判断してもらわないといけないので,フットワークの軽い弁護士に依頼するのがよいです。

もし以前にある弁護士に相談又は依頼して,いい弁護士だと思っていたら,その弁護士のところに必ず相談に行きます。もちろん,事件それぞれで事実関係や証拠関係は異なるので必ずしも今回の事件でその弁護士がいい弁護士になるかどうかは分かりませんが,とりあえず話だけでも聞いてもらいます。

法律相談をぞんざいにしていない弁護士のところに行きます。法律相談限りで事が済めば非常に安上がりです。法律相談料が無料でも,法律相談限りで済むはずの事件を法律相談を超える業務として受任されたのでは本末転倒です。

「無理なものは無理。」と言ってくれる弁護士に相談に行きます。もちろん,法律の世界は見解が分かれているので,一見無理に見えても目的を達成できることもあります。ただ,期待値をしっかりと示してくれないのは困ります。

車を駐められること。意外な要素ですが,事件処理に当たっては,想像以上に多数回,そして長時間,事務所に来ていただくことになります。そのたびに高額な駐車料金を払うのはもったいないですよね。

バックエンドにお金をかけすぎている弁護士のところには絶対に行きません。バックエンドとは,広告費用であったり,事務所賃料(便利な立地,広い,築浅だと一般的には高額になります。)であったり,人件費(事業経営をされたことのある方なら十分ご存じのとおり,非常に高額です。)であったりと,受任事件の処理にほとんど関係しない経費のことです。特に,テレビやラジオの広告宣伝費は非常に高いです。こういうところにお金をかけていると,その分どこかにしわ寄せが来ていることになります。

いよいよ弁護士に委任するという段階になれば,委任契約書をきちんと作る弁護士に依頼します。委任契約書の作成は現在は原則として義務になっていますが,それでも委任契約書を作成されない先生が他府県にはいらっしゃるようです。弁護士に何を任せて,それに対していくら払うのかを書面で確認できるようにしておくことは基本中の基本です。

保険会社の弁護士特約を使う場合は,「自分で」弁護士を探します。保険会社が指定又は紹介する弁護士が自分に合っているかどうかは分かりません。法律相談費用が保険でまかなえるのであれば,あるいはそれで足りないとしても,自分に合った弁護士を自分で汗を流して探します。

そうすると,必然的に,和歌山弁護士会所属の弁護士に個別に何人も相談することになる場合もあります。

*考慮しない要素

こんなことは気にしなくていいの?

逆に,こんなことは考慮しないということも挙げておきます。

まずは,意外ですが,年齢。年齢が高いと相手がひるむのではないかと思われがちですが,年齢は事件処理に全くといっていいほど関係しません。

次に,「専門」。法律の世界では,ごく特殊な事件を除いて,「専門」では処理できません(東京の大規模事務所でも,「専門性の高い案件」といわれる案件について,あらゆる部署の弁護士を動員して事件処理に当たります。)。たとえば,交通事故でも,民法709条や自賠法に精通している必要がありますし,当然道路交通法にも精通している必要がありますし,業務災害又は通勤災害であれば労災関係法規に精通しているはずがありますし,他人に頼まれた物品の運送中であれば商法が関係することがありますし,自動車に欠陥があったのならPL法も関係してきますし,意外に,微分積分その他の数学及び物理を知らないと全く処理できない事件もあります。エネルギー保存の法則が分からないようでは話になりません。エクセルその他の表計算ソフトを使いこなせないのも論外。そして,このようなスキルは,他の法分野でも同様に要求されるスキルです。このように,「専門」といっても結局は何でも知っている必要があり,真の「専門」かどうかは定かではないものです。

もっとも,独禁法のように完璧に勉強するためには他に手が回らないような分野や,金商法のように毎年のように改正される法令を完璧に勉強していたら他に手が回らないような分野や多大な人的リソースを要求される業務に関しては,東京の大規模事務所に「専門性」があり,そういう事務所に依頼せざるを得ないでしょう。さすがに,私が,東証一部上場企業同士の合併のM&Aの法務デューデリジェンスをするのは人的リソースが圧倒的に不足し,不可能です。

次に事務所所属弁護士の数。東京の大規模事務所でないと扱えないような大規模事件でない限り,事務所所属弁護士の数は全く問題になりません。むしろ,1人弁護士の事務所の方が1人の弁護士が責任を持って仕事に取り組むので安心できます。

次に,事務所が抱えている案件の数。弁護士により,事件処理のスピードに対するスタンスは違います。100件を1年でさくさく終わらせる弁護士もいれば,10件をじっくりと1年かけて終わらせる弁護士もいます。弁護士のスタンスの違いなので事件に応じて自分に合った方を選びます。

次に,「弁護士法人」であるかどうか。「弁護士法人」だと,立派なように見えてしまいますが,取引先に倒産された経験がある方はおわかりのとおり,「会社」よりも個人の方が倒産しにくいのです(弁護士法人の場合は一般の会社とは少し違うのですが,この辺は難しい法律問題なので割愛します。)。解散する弁護士法人も無数にあります。弁護士の側から考えて,「弁護士法人」にするメリットは極端な話,「支店」を開設できる(「弁護士法人」でないと支店を開設できないということに驚きました?)ということだけです。相談者から見て,あえて「弁護士法人」に相談するメリットは見当たりません。「弁護士法人」であるかどうかにかかわらず,相性のいい弁護士に依頼します。

最後に,意外ですが,価格。弁護士は一種の「職人」です。苦労して身につけた職人技に相応の敬意を払っていただけないときの職人の気持ちはよくわかると思います。職人に対する敬意は,すべからく価格に反映されます。